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Quest #37

大切にオモウコト

熊本に端を発した地震のニュースが各メディアで大きく取り沙汰されている。

被災地の安否や現状を正確に把握して、皆それぞれが何が出来るのかを考えて些細なことでも取り組むことは大切なことだと思う。

けれど、どこぞの芸能人が被災地に入ってボランティア活動にいそしんだとか、隣県から支援物資を積んだ車を走らせて支援に向かったとか聞くと、「何か手助けになることをしたい」という気持ちは全くもって善行だと思うのだけど、行動に関しては「良くはない」という印象を受ける。

特に発信力・影響力の強い芸能人の直接的な活動には疑問符が沸く。

ホリエモンと尾木ママが番組構成について意見を交わしているようだけど、正直どうでもいい。

大切なのは放送される番組が何を目的として作られ、公共の電波に乗っているかということ。

被災地を茶化すような内容はもちろんあってはならないけれど、地震があったからといって番組をすべて被災地のニュースで埋め尽くす必要はないと思う。

その番組が何のためにつくられているのかを深く考えないといけない。

被災地にも子供がいる。

子どもの笑顔は周囲の大人に力を与える。子どもはいつだって希望の光だ。どんな状況であっても子どもが笑顔になれるなら、まだ頑張れる力は残されている。

一方で、子どもたちは大人以上に繊細だ。純粋だからこそのもろさがある。それを支えるのには家族だけでなく周囲の手助けが必要だと思う。

こんな時だからこそ子どもが笑顔になれるような番組があってよいと思う。

思わず笑みがこぼれるような良質のお笑い番組があっても良いと思う。

身の安全の確保もままならない現状の中でも、人は俯いて下ばかりを見てはいけない。

今はもちろん大きな悲しみに支配されて、他の何もはいってこない人だっていると思うけれど、自粛してニュースで被災地を切り取りして、やれこんな悲惨な話がありました、こんな事故がありましたと報道することが果たしてその人たちを勇気づけることになるのだろうか。

サッカー日本代表の本田が珍しくイイことを言ってたけど、「自粛は保身のため、保身に寄らず誰かのためになれることがきっと皆それぞれあると思う」まさにその通りだと思う。

コメディアンは笑いをもたらしてナンボだ。

歌手は歌を歌って、俳優は演技してナンボ、サッカー選手はサッカーを、ゴルファーはゴルフをしてこそ最大の影響力を発揮できる。

現状被災地に行って最も効果的に活動できるのは誰か。

自衛隊の方々だと思う。行政ももちろん大切だ。一般市民である我々は最低限彼らの行動を阻害しないようにしなければならない。

もちろん自衛隊の方だけにすべてを任せるのは無理がある。彼らもロボットではない。

献身的に労を惜しまず頑張ってくれることは間違いないが、いくら鍛えているとは言っても24時間休みなく活動すれば壊れてしまう。

重要なのは、どこが人手が必要で、どの程度の物資の供給をいきわたらせることが出来るかどうか。

そこを整理、主導するべきが行政だろう。

では我々一般の人は何もしなくて良いのか。何もしてはいけないのか。

全くそんな話ではない。

こんな時だからこそ、各自に出来ることをもっと真剣に考える必要がある。

各自に出来ること。

もっとも大切なのは、自分の身の回りの人を大切に、思いやりの気持ちを持つことじゃないだろうか。

思いやりの気持ちをもって支え合うことで、心にゆとりが生まれる。ゆとりが新たな活力を生み出す原動力になる。

被災を対岸の出来事と思わず、被災地を思いやる気持ちを忘れないのは当然。

その上で、身の回りの人をいつも以上に大切にし、思いやりをもって接する。そして行政などから声がかかった時に、できるだけそれに協力し、支援を果たす。

前述のテレビ番組であれば、通常の番組を流した後でキャストが一堂に会して、「我々は被災された方のことを応援しています。体に気を付けて、とても辛いとは思いますけど、頑張って下さい」とかメッセージを伝えた方がはるかに多くの人を勇気づけるし、それを見る被災地以外の視聴者もより一層応援する気になるのではないだろうか。

その上で何らかのチャリティを番組を通して行えば、芸能人が単身で活動するよりもはるかに影響力は強く、広範囲に及ぶことになるだろう。

結局、我々は普段の生活の中にこそ最大限の影響力が隠されている。

一過性の善行ではなく、たゆまぬ思いやりの気持ちを持ち続けること、感謝を忘れないことが何より大切なんじゃないだろうか。

キレイゴトかもしれないけれど。

まずは我が身から。小さな一歩から始めようと思う。


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